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1-5 フリ

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 綿菓子を片手で持ったまま、悠人は私に手を差し出した。


「ほれ」


 その手と、悠人の顔を何度か見比べてしまった。


「早くしろよ」


「本当にやるの?」


「そう決めただろ」


「さっきので充分じゃないの?」


「あれはおまけだ」


 これにはさすがに抗議したくなった。


「おまけでキスしないでよ!」


 悠人は軽く笑っただけで、その手を引っ込めようとはしなかった。


 ……なんか、猛烈に悔しいけど。


 そっと悠人の手に掴まった。


 見た目以上にすらっとした手だ。おっきい。それに、指長い。


 ピアノを弾いてた悠人の姿が脳裏をよぎった。力強く鍵盤を叩く指。それが今、私の手の中にある。


 じっとその手を見てたら、なんだ? と声をかけられてしまった。


「本気なんだ」


「今さらそれかよ。さっきキスもしただろ」


 悠人の口からさらりと発せられる『キス』という単語に、自分でもどうしようもないくらい顔が熱くなってしまう。


「いい機会だからな」


 私の動揺なんてどうでもいいに違いない。悠人は挑戦的な顔になって、笑みを浮かべた。


「俺たちが『付き合ってる』って、アピールするにはさ」